訳あり無表情少女と一途な幼馴染
姉さんが慌てて止めるも遅かった
腕には、無数の傷痕が
蓮が目を見開いて、動揺してるのが分かる
…俺もそうだった

「や…イヤ、見ないで…っ!?」

蓮が姉さんを抱き締める

「れ、蓮?」
「…辛かったな」
「え…」
「お前が今まで何をしてきたか…まだ何も知らねぇ
きっと俺には想像がつかねぇ事をやって…やらされてきたんだろ」
「…」

姉さんの目には、戸惑いが

「けどな、俺は今まで自分自身に立てた誓いがある」

蓮は姉さんを少しだけ離し、目を合わせる
蓮は姉さんの手を握り

「お前を見つけた時は、何があってもこの手は離さねぇ。
お前は俺が護る
だから…どんな過去だろうが、受け入れてやる」

姉さんが俯き、首を横に振る

「駄目、私に関わっちゃ…駄目っ…!私から離れないとっ」

俺が栞から離れる?
そんなの…ありえねぇ

「離す訳ねぇだろ。やっと見つけたんだ。もう二度と…離さねぇよ」

グッと頭を胸に押し当てる
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