訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「やっと見つけたんだぞ、目の前でいなくなった幼馴染が…今目の前にいんだ」
「で…でも、私といると危険「上等だ」」
「お前がいなかった時の感情に比べたら…
お前と一緒にいて危ねぇ目に合ってた方がマシだ」
「…蓮」
「前にも言ったよな?いい加減諦めろ」
「…」
「何があっても、お前は俺が護る。俺がずっと、側にいるから」
「もし…もし、離れちゃったら?」
「心配すんな。離れ離れになっても、絶対に見つけるから」

また俯こうとしてるのを顎を掴んで上げる
上げた拍子に、涙が零れ落ちる

「お前に言いたい事があんだよ、前は遮られたけどな。栞、俺はお前が」

また、止められた
今度は栞の手で
栞は泣きながら顔を横に振り

「今は、その言葉は聞けない。言ったでしょ、今の私じゃ応えられないって」

栞の手が離れる

「私の記憶が戻った時、もう一度言ってくれる?
その時は、ちゃんと最後まで聞いて…応えるから」
「……分かった」

俺は栞をギュッと抱き締め

「そん時は、覚悟しとけよ」
「…ん」

私の記憶が戻った時

それは、蓮との本当の再会であり、最後の再会だった
< 303 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop