訳あり無表情少女と一途な幼馴染
そんな空気の中

「おい、飯だ」

部屋に和士さんと楼さん
後ろには今井と…お握りが沢山あるおぼんを持った奈緒さんと美弥まで

「腹が減ってなくても、詰め込んどけ」
「…要りません」
「要るか要らないかじゃねぇ、入れろ」
「この状況で、食べれる訳ないじゃないですかっ!」

ガンッと机を叩く
お握りと一緒に置いてあるお茶が溢れそうだったが
そんなのはどうでもいい

「何で、何でそんな平然としてられるんですか!?」

和士さんは溜息を吐く、楼さんは俺達を見下ろし

「なら聞くが、慌てたところでどうなる?状況は何も変わらねぇ」
「どうしろって言うんですか」
「紫音。お前は酒向に言われ続けてきた言葉があるだろ」
「え…」
「稽古をつける度、言ってる事があったろ」
「…」

『どんな不利な状況でも、冷静に判断する』

「冷静に、判断」
「そうだ」
「でも、何を判断しろって言うんですか」
「ヒントをやる…がその前に」
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