訳あり無表情少女と一途な幼馴染
楼さんが蓮に近付き
グッと胸ぐらを掴み上げ、殴り飛ばす

「ぐっ…!」

蓮が吹っ飛ぶ

「何すんだっ!」
「お前こそ何してる、いつまでそうしてるつもりだ」
「…っ」
「あの時と同じ様に…目の前でいなくなって、手が届かなくて悔しいか?」
「っ誓ったんだっ!俺は!アイツに!俺自身に!!今度はぜってぇに離さねぇって!
俺が護るって!
なのに俺はっ!何も出来なかったっ…やっと会えたってのに…!」
「悔しいのは分かる。だが、いつまでもウジウジしてんな。
そんな暇があれば行動しろ、動け!
やっと想いが届いたんだろ。自分の女くらい、自分で取り返せ」
「でも、どうやって…」
「それがさっきのヒントだ。あの女がマスターと呼んでた男…名前は?」

確か…

「鴉間…」
「鴉間ってのはな、表向きは国内外に会社を展開してる…大手企業グループのトップだ
裏ではな、邪魔な奴はどんな手を使っても潰す…薬や暴行、何でもな
デカい暴力団とも繋がってる」

そんなとこに栞は

「俺等で、どうにか出来んのかよ」
「桜井組の力、舐めんなよ?親父にも協力を仰いだ、直に情報が来る」
「若」

酒向が入ってきた

「大神組が、奴等が裏にいる龍田組と敵対関係にあり、抗争をするそうです」
「可能性は」
「内通者によると、人形に行かせると話があったそうです。可能性は高いかと」
「その抗争は」
「1週間後です」
「聞いたかお前等、その抗争で栞が現れる可能性が高い。取り戻すぞ
腹が減っては戦は出来ぬだ、食べとけ!これから1週間、みっちりシゴいてやる」
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