訳あり無表情少女と一途な幼馴染
『紫音が喋らないのは、その事件が原因ですか』
『ソレもある。
当時はマスコミやらに事件の事を聞かれたり、親戚の中には財産を狙う奴等もいて
周囲の所為で人間不信になって、誰とも関わりたくないって
お前と春也にも、直接話せるまで随分時間が掛かったよな』
『そう…だったんですね。
蓮はそんな幼い頃から、その人が好きなんですか』
『自覚したのは中学入ってからだ。アイツ以外は、考えられねぇよ。
このまま見つけられずに歳を重ねて成人して、いい年した大人になっても、
アイツ以外と一緒になる気は無い』
『紫音は…』
『知ってる。紫音はあれから別人になっちまった。
俺にさえ、無理した笑顔しか見せてくれねぇ…見せれねぇんだ
紫音が本来の姿に戻るとしたら、栞の事だけだ。
その紫音が俺になら任せられるって…
もう後には引けねぇ。引くつもりも無ぇがな』

この時、蓮がそれまでに見せなかった、男として求める目を見せた
僕も決めました
彼に、この真っ直ぐな目と意思を持つ彼に着いていくと
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