訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「お前を痛めつけても無駄なら、その男を殺せばいいか?」
「!?」

それだけは…ダメ!!!
パリンッと胸元で何かが弾けた
ネックレスの、私の力を抑えていたルビーが砕け飛び散る
その瞬間、体の底から力が溢れて出す感覚が…
ドンッ!

「栞!?」
「な!?何だこれは!?」

体から光が勢い良く溢れ、天にまで伸びる

「何だこの光は!? ち、力が!?うあああああ!!!」

鴉間の中にある私の力に共鳴させ、暴走させる
蓮が光から腕で庇ってる隙に離れ、蹲る鴉間を見下ろす

「ぐあっ…くそ…!お前…何をした!!」
「アンタの中にある私の力を暴走させただけ。
アンタじゃ制御出来ない、直に組織から破壊されてく」
「ぐっ…くそが!お前は弱ってた筈だ!体中に痛みが走ってる筈!」
「力を抑えてた物が壊れたから、普段の何万倍にも力が増幅する。
掛けられた枷は、お前の言うコピーが掛けたモノ
コピーがオリジナルに勝てる訳無い」
「…くっ、このまま俺を殺すか」
「私はお前とは違う、もう…誰であっても命は奪いたくない」
「フッ…甘い考えだな。今殺しておけば、お前は…望んでたモノが手に入るぞ?」
「私は私のやり方で終わらせる、自由を得る」

鴉間に手を向け、力を吸い取る

「!?何を…!?」
「力を返してもらうだけだ」
「やっ止めろ…!止めろぉ!!」
< 345 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop