訳あり無表情少女と一途な幼馴染
蓮side
鴉間は力を抜き取られ、気絶してる
栞は兄貴に向き

「楼、そっちは?」

そっち?

「ああ、親父に頼んである。問題無ぇ」
「何の話だ?」
「鴉間を捕まえる、法的にな」
「法的にって、大手企業のトップなんだろ?大丈夫なのかよ」
「親父に頼んだっつったろ。表の会社はうちが吸収するし、暴力団は…」

兄貴の携帯が鳴る

「グッドタイミングだな。おう、和士
そうか、ご苦労だったな。こっちも片付く、また後でな」
「和士さん、何を…」
「和士と今井には暴力団を片付けてもらってた。二宮と前原もな」

白狐のOBと現役幹部、負ける筈が無ぇな

「これで鴉間が捕まっても、会社も暴力団も心配要らねぇっつう事だ」
「…それを栞は知ってたのか」
「《プレコグ》で予知したから。流石、お父さん」
「お父さん…って親父の事か?」
「桜井さんて呼ぼうとしたら、そう呼べって何度も言われたから」
「…」

親父も栞の事知ってたのかよ

「まさか…栞の事知らなかったの、俺と紫音だけか?」
「そうなるな」

俺の気持ちを知ってて、隠してたのかよ
紫音もポカンと口を開け呆然、二人でガクッと項垂れる

「まあ、とにかく、鴉間は俺が連れてく」

兄貴が鴉間を連れて、俺を横切る瞬間
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