訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「君は神崎さんの弟かな?お姉さんが戻ってきて、今の気持ちは?」
「そちらは、もしかして彼氏かな?詳しく話を聞かせてもらえないかなぁ?」
「「煩ぇ、黙れ」」
「え…」
「いつまで姉さんに付き纏うつもりだ」
「アンタ等、コイツに迷惑掛けてる自覚無ぇのかよ」
「付き纏うなんて、私達はただ誘拐事件の真実を教えてほしいだけなんだよ」
「そうそう、誘拐された子が無事に戻ってきたんだよ?
あの事件が解決したと世の中の人に知ってもらいだろ?」
「別に、世の中に知ってほしいなんて思わない」
「俺等はただ、コイツと一緒にいたいだけだ。世の中なんて知るか」
「でも、真実を知りたいと思わないかい?誘拐されてから、どんな生活だったとか」


蓮side
マスコミの言葉で、後ろにいる栞がビクッと肩を震わせる
もう、コイツに…過去を思い出させたくない
栞は、苦しみを乗り越えたんだ
コイツの人生は、これからなんだ
他人が興味本位で、栞の心をかき回すんじゃねぇよ

「コイツがどんな生活を送ってきたとかなんて、何で他人に話す必要がある」
「話したくないのに…根掘り葉掘り聞いて、
世の中の目を惹きつける為だけにオーバーな記事にして
自分達の利益しか考えないアンタ達に、そんなアンタ達が一番…」
「同情したフリして、散々付け回して
アンタ等が一番、コイツを…コイツの心を…」
「「傷付けてるのが…まだ分かんねぇのかっ!!!!」」
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