訳あり無表情少女と一途な幼馴染
「紫音!栞が!」
「分かってる!姉さん!傷見せて!」
「はぁ…はぁ…平気…だから」
「いいから見せて!」

紫音が無理矢理、栞のローブを剥ぐ

「「!?」」

栞の脇腹に刺し傷が

「何だ、この傷…」
「姉さん。やっぱり、さっきの…」
「さっき?」
「組員さんが一人刺されて、姉さんが《ヒュプノ》でバレない様に側に行ったと思ったら、
すぐに治ったんだ
でも姉さんの足取りが悪くなって、そのままここに帰ってきたんだ」
「栞、お前…何したんだ?」
「……傷を移動させた」
「傷を、移動?どういう事?」
「他者の…負ったダメ…ジを、私に、移す」
「「!?」」
「私の…新しい、力」

栞の新しい…力
でも

「何で、そんな力を…?下手すれば、自分が死ぬかもしれねぇのに」
「私は、大丈…夫。治せ…る…から」

栞が目を瞑ると、体が赤く光り出す
数秒後に光は消え、栞は脱力し俺に身を寄せる

「ほら…ね?」
「…そういう問題じゃねぇだろ」
「え?」
「他人の傷を自分に移す?自分はどうなってもいいってのかよっ…」
「だから、私は、自分で治せるから「そういう問題じゃねぇ!」」
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