訳あり無表情少女と一途な幼馴染
事の発端は6歳の時、私は…誘拐された
それから約8年間、色んな事を教え込まれ
やってきたのは、命を奪う事
罪があっても、無くてもだ
当然最初は抵抗した
けど、逆らった罰として受けた苦痛が体に恐怖を植え付け

『お前が殺らないなら、お前が受けた苦痛をお前が見てる前で奴等に与えてやる。
それが嫌なら、お前の力で楽に死なせてやれよ』

心にも植え付けられた
目の前で何の罪も無い人が、この苦痛を味わいながら…
何も出来ずに死んでいく人達を見てるだけなら
せめて…苦しまずに、私の手で
そうやって今まで、奴等に従った
やっとの思いで逃げ出し
和士に見つけてもらえたのが15歳になる年

逃げ出せても、今でも心は恐怖に支配されてる
沢山の命を奪ってきた私は、穢れてる
これ以上誰かを傷付けずに済むなら、1人でいる方がいい
誰にも関わっちゃいけない
だから和士も、最初は拒絶した
妹の様に思ってくれてても…兄の様に思ってても

ーー闇という名の鳥籠で鎖に繋がれ自由を奪われた鳥
いつも格子越しに自由に飛んでる鳥をただ、見てるだけーー

『お前は俺達の妹だ。妹を放っとく兄貴がどこにいる』

和士のお陰で、鎖は解けた
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