変人彼女と遠距離恋愛
「せなって呼んでもいい?」
「あ、うん、いいよ。」
「ありがと、俺の事まさって呼んでいいからね。」
「うん!」
やばい。好きだ。会って数秒しか経ってないのに。私、この人のこと好きだ。
細い脚、それでもしっかりついてる筋肉、垂れた眉毛、薄い唇、少し高い声、大きい手。
どんどん目元が熱くなっていく。
「せな、野球しよ?」
「する!紫龍もしよ!」
「おう!」

なんだかんだしてるうちに、19時になっていた。
「あー、やばい。門限が。」
「あー、せな門限7時なの?」
「うん。」
「そっか、じゃあもうなかなか会えないね。」
「あ、まさは函館か。」
「うん。」
「連絡先、交換する?」
「え、いいの!?」
やばい。嬉しい。
「ありがと!」
「うん、俺函館に行っても忘れんなよ??」
「忘れないよ!」
2人で笑って話してたら、時間があっという間に感じた。
なんか、なかなか会えないってさみしいな。
「なに、寂しいの?」
「そんなわけ!」
「あ、そう。」
「うん。まさって、彼女とかいるの?」
「いるよ」
まじ、か。
ショックだった。キスとか、してるのかな。
してるよ、って言われたら落ち込むくせに、自分から聞いた。
「キス、したことある?」
「あるよ」
「今の彼女と?」
「うん」
「付き合ってどれくらいなの?」
「3ヶ月かな」
「そーなんだ。」
「寂しいの?ハグする?」
…え?だめじゃね??彼女いるのに、なんでこういうこと言うんだ???
私にはまさの言動が理解出来ず、突っ立ってると、
ふわっと包まれた。
「え、ちょ、だめだしょ!」
「なにが?」
「いや、こういう行為は、恋人とかとするもので…。」
「寂しさまぎらわせてるだけ。目移りしたとかそういうのじゃないから大丈夫だよ。」
そういう問題じゃなくない???と思いながらも、私はまさを拒めなかった。
いや、拒まなかった。
「なんか、ごめん。」
「大丈夫だよ??たくさん連絡してきていいからね」
「ありがとう」
「うん、またね」
「うん!」
幸せだったな。
スマホを握りしめ、スキップをしながら帰った。
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