俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
抱かれたいと言いながらストップをかけた私に、周防さんは驚きと困惑をないまぜにした表情を浮かべている。
「もう少し待てって……シャワー浴びてくるってことか? あれ? さっき風呂入ったばっかだよな?」
「そうじゃなく、もっと……その、数日っていうか……数ヶ月単位で……」
「数ヶ月!?」
目を真ん丸に見開いて、周防さんが大声をあげる。そりゃそうだ。
男の人の事情というものがどんななのかあまりよく知らないけれど、直前でストップをかけられて数ヶ月も待たされるのは、きっとかなりガッカリすることなんだと思う。
「なんで?」
至極まっとうな質問をされ、どう答えていいものか悩む。
惚れ薬のことを本人に言ってしまうのはアリなのだろうか。もしそれがルール的にアウトで周防さんの心臓が止まってしまっても困るし、そうじゃなくてもすごく訝しく思われるだろう。
「えっと……心と体の準備? 的な?」
自分でも何を言っているかよく分からないけれど、周防さんはさらに当惑した表情になってしまった。
けれど私の顔をしばらくじっと見つめると大きな深呼吸を一度して、「分かったよ、何ヶ月でも待ってやるよ」と少し拗ねたように言った。