俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
一月。新しい年も明け、明日はいよいよ仕事始めという日の夜。
「今日も手掛かりなしか……」
お風呂から上がった私はいつものようにリビングのソファでくつろぎながら、スマートフォンを見ていた。
SNSで呼びかけているものの、相変わらずシャーマン美鈴の情報はなし。惚れ薬の効果の解き方も、さっぱりだ。
「探偵に捜索頼むと幾らくらいかかるんだろ」
新たな手段を求めてネットをさまよっていると、廊下の方から「よっしゃー!」と威勢のいい声が聞こえてきた。
「どうしたんですか?」
声のした洗面所をヒョイと覗けば、お風呂上りでパンツ一丁の周防さんが体重計の前でガッツポーズをしていた。
「仕事始めまでに体重戻ったぞ。さすが俺」
「うっ……」
気まずさを感じそっとフェードアウトしようとした私を、周防さんが肩を掴んで止める。
「梓希は? 体重計乗ったのか?」
「の、乗りましたけど……」
「で、結果は?」
「……」