俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
 
「信じます。周防さん言うこと。というか……勝手に誤解してごめんなさい」

身動きの取れない湯船の中で小さく頭を下げると、真剣だった周防さんの顔が安心したように綻んだ。

「あの……あとひとつ、教えてもらってもいいですか?」

周防さんの気持ちも分かったし誤解も解けたけれど、最後に気になっていたことを思いきって尋ねることにする。

「わ、私なんかのどこがよくて好きになったんですか……?」

こんなことを思うのは卑屈かもしれないけれど、かつては璃々さんと付き合っていた周防さんが、私みたいな顔もスタイルもよいとは言えない凡人を好きになる理由が見当たらない。

なんだかいじけたことを聞いてしまったみたいで、私は俯いて顎まで湯船に浸かった。すると。

「そういうとこ」

そう言って周防さんが私の体を引き寄せ、腕と両足で拘束するように抱きしめてきた。

タオルは巻いているとはいえ、ほぼ裸の状態で抱きしめられてしまい私は頭が沸騰しそうになる。
 
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