俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
半裸でも恥ずかしくて仕方ないというのに、こんな状態で平気でいられるわけがない。ましてやどうして彼にシャンプーされなくてはならないのか。
けれど、お風呂場から逃げ出そうとする私の頭に向かって周防さんは容赦なくシャワーを浴びせると、「いいからシャンプーさせろ。お前の髪洗ってみたかったんだよ」などと尊大な命令を下す。
髪がびしょ濡れになって目が開けられなくなった私は、「ひぇえ」とおののきながら強引に椅子に座らせられる。そしてすぐさまワシワシと髪を洗われた。
「お客様、かゆいところございませんか~」
シャンプーしながらそんなジョークを飛ばす周防さんの口調は、最高にご機嫌だ。
さらにトリートメントをし、私の腕と脚まで洗った周防さんは終始愉快そうで。さっき彼の言っていた『全力でかわいがりたい』というのは、こういうことなのかとなんとなく理解した。
「あづい……」
「すっかりのぼせたな。ちゃんと水分摂れよ」
散々周防さんに洗われた後もう一度湯船に浸けられた私は、恥ずかしさも相まってすっかりのぼせてしまった。
真冬だというのに私はパタパタと顔を手で仰ぎ冷えたスポーツドリンクを飲みながら、彼にドライヤーで髪を乾かされている。
すると、ハンガーに掛けておいたスーツのポケットからスマートフォンの通知音が鳴り、周防さんがいったんドライヤーを切ってそれを見にいった。