俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
 
さて、そんな華々しい話題満載の『しののめ広告』だけれど、私はといえば――相変わらずの毎日だ。

「椛田、これやり直し。修正案十個、今日中にな」

「きょ、今日中ですか!? ……了解です……!」

今日も今日とて私はADの三坂さんの修正の嵐にヒィヒィ言いながら、発案し、分析し、描いて直して作って奔走する。

没になることもコンペに負けることもしょっちゅうだし、努力したって仕事なんかちっとも思い通りにいかない。

虚しさでボーゼンとすることも日常茶飯事だけれど、それでも私はこの仕事と会社が好きみたいだ。それに。

「椛田。今度のスポーツドリンクのコンペチーム、お前が入れ。ちょっとでかい案件だけど、お前のアオハル系わりと評判いいから大丈夫だろ」

「本当ですか!? がんばります!」

すこーしずつではあるけれど、やって来たことが積み重なって私なりに成長出来ているような気もする。

そんなふうにしんどい毎日でも前を向いて進み続けることが出来るのは、きっと――いつだって彼が私を支え続けてくれるからだ。
 
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