俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
 
ただ、同棲とはいっても私たちはいまだに恋人らしい夜を過ごしてはいない。

そう、つまり……周防さんは律儀に『結婚までは手を出さない』という約束を守ってくれているのだ。

それはそれでとても誠実だとは思うのだけれど……さすがにちょっと寂しいと思う私は、欲求不満なのだろうか?

(こんなこと考えるって、やっぱ私ってドスケ……エッチなのかなあ。っていうか結婚するまでしないって普通なの?)

洗面所の鏡に自分の顔を映しそんなことを悶々と考えていると、「早くしろ、梓希。先に行っちゃうぞ」と玄関から周防さんが呼びかける声がした。

「今行きまーす」

私は洗面所のライトを消すと慌てて廊下に飛び出し、彼の待つ玄関へと駆けていった。



「海老フライもオムライスもどっちもおいしい~」

「だろ? 残さず食えよ」

その日の晩ご飯は朝に宣言した通り、海老フライとオムライスのセットだった。

今日が七夕だからか、オムライスの上にはかわいらしく星形に切られた赤と黄のパプリカまで乗っている。
 
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