俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
いったい彼女に何があったのか。華麗な変貌を遂げた理由が知りたくて問い詰めたところ、和花ちゃんは恥ずかしそうに口ごもりながら驚きの理由を教えてくれたのだ。――『私が変わったように見えるなら、たぶんそれは……彼氏のせいかも』と。
友達の成功や幸せは嬉しい。素直に祝福したい。けれど、仕事も順調でどんどんいい女になっていき、あげくに彼氏までできたなんて。羨ましいどころか、和花ちゃんが手の届かない高みに行ってしまったみたいで、残された私は情けなさのあまり「トホホ」なんて漫画みたいなため息がもれる。
「和花ちゃん、私を置いてどんどん高みへ行っちゃうのね。仕事もバリバリ出来て彼氏もいるなんて、そんなのもう天上人じゃん。和花ちゃん輝きすぎて、私にはもう直視できないよ」
キラキラオーラをまとっているように見える和花ちゃんが眩しすぎてたまらず、手で目を覆う。
「まーたワケわかんないこと言って。梓希といい、クリエイティブ部の人って表現が時々おかしいよね」
そんなふうにあきれて苦笑する姿すら、大人の女の余裕が窺えて眩しい。
「だって、彼氏なんて羨ましすぎるよぉ。しかも仕事や外見にまで影響してくるってことは、よっぽどいい恋してるんでしょ? ねえねえ、どんな人? 年齢は? 仕事は?」
今度は好奇心丸出しで詰め寄ると、和花ちゃんははにかんだ笑みを浮かべて「その話はそのうちね」と私の肩を押しやった。
「それより梓希こそ彼氏つくらないの? 好きな人いるって前に言ってなかったっけ」
「小宮山さん!」
好きな男性の話題が出て、私は間髪入れずとっさに答えてしまった。