俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
 
――週末。

気を取り直した私は恋愛に前向きになるべく、都内某所にあるビルの地下にやって来ていた。

実はここ、スピリチュアル女子の間で『当たりすぎてヤバい』と密かに評判になっている占い師、シャーマン美鈴の占いの館があるのだ。

なんでもシャーマン美鈴は占いに秀でているジプシーの血を引いているとかで、彼女のタロット占いは百発百中だとか。ジプシー占いなのに何故シャーマンなのかは謎だけれども。

とにかく彼女の占いは当たる。さらに彼女が開発しているまじないグッズはとんでもなく効力があると聞き、私は小宮山さんとの恋愛を叶えてもらうべくここまで足を運んできたのだった。

「お次の方……椛田梓希さん、どうぞ」

相談事を用紙に記入し、待合室で自分の順番を待っていた私は、名を呼ばれ緊張しながらシャーマン美鈴のいる部屋へと入っていく。

「よ、よろしくお願いします」

シャーマン美鈴は紫の衣装に身を包み顔の半分をベールで隠すという、とてもわかりやすい占い師の恰好をしていた。

「椛田さん……恋愛成就のご相談ですね」

わりと恰幅のいい中年女性といった感じのシャーマン美鈴は、私の相談内容を細かく確認してからおもむろにタロット占いを始めた。そして。
 
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