俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
 
「夜食。裏のファミレス、テイクアウトやってるから買ってきた。徹夜なんだから飯はしっかりとれよ」

ちょうどお腹がすいていた私は、「ありがとうございます」と笑顔でそれを受け取る。

私の頭を軽く撫でて周防さんが出ていったのを見てから、受け取った袋の中を見た。

「……海老クリームパスタと、シュリンプサラダ……海老ばっかじゃん」

クスクスと小さく笑いながらも、それをおいしくいただいた。疲れていた体が少し元気になったような気がしたのは、私に温かい好物を食べさせようとしてくれた周防さんの気持ちが胸に染みたからかもしれない。



「おい、椛田。椛田、起きろ」

「ん……あれ……あれっ!? 今何時!?」

ぐっすり眠っていた私は、朝の光の眩しさと体を揺らす誰かの手で目が覚めた。その瞬間、まっさきにラフの提出時間のことが頭によぎり、勢いよく頭を起こす。

「うわっ、びっくりしたあ」

デスクに突っ伏して眠っていた私が跳び起きたのを見て、驚いているのは三坂さんだった。

「あ……三坂さん……おはようございます」

まだ頭が夢から覚めきってない私に、三坂さんは「大丈夫か? お疲れさん」と言って自分の席へ戻っていった。
 
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