俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「そうだ、それがいい。俺がそばにいればちゃんと飯も食わせるし睡眠もとらせるし、ついでに休みの日はジムにも連れていける。よし、決まり」
「ちょっ! ちょっと待ってください! え? ……暮らすって……私が? 周防さん……と?」
「それ以外に誰がいるんだ」
ポカンとしている私に構わず、周防さんは信号が青になったのを見てスムーズに車を発進させた。
「え? えええっ!? それってど、同居……?」
「そこは恋人同士なんだから同棲って言えよ。まあデザイナーとして長生きしたいんだったら、俺と住むべきだな。今のお前の危うい健康管理のままだと、三十まで生きられるか分かんねーし」
いくらなんでも三十までは元気だろうと憤慨するものの、そこにツッコんでる場合じゃないと気を取り直す。
問題は同居! ……同棲? どっちでもいいけど、周防さんと一緒に暮らさなくちゃいけないということだ。
「む、む、無理です! いきなり周防さんと暮らせだなんてそんな――」
当然全力で否定しようとしたけれど、その途端、周防さんが「ん?」と眉間にしわを寄せ自分の胸に手をあてる。