俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「……どうかしました?」
「いや、なんか……心臓がキュッとした感じがして」
心の中で『ひぃぃ!』と叫び声をあげて、私は顔を青ざめさせた
――『もしあなたからの愛が得られなくなったら、そのとき惚れ薬を飲んだ相手は命を失うでしょう』
つまり同棲を断るイコール愛がないと思われちゃうってこと!?
この期に及んで効果抜群の惚れ薬の効き目を恨みながら、私は唇を震わせながら涙目になって言った。
「よ……よろしくお願いします……」
すると運転席の周防さんの顔がパッと嬉しそうに綻んだ。
「そんじゃさっそく、今から荷物取りにいくか。とりあえず服とか必要なものだけ持っていって、大きなものは週末でいいな?」
もうどうにでもなれとやけくそな気持ちで「はい」と作り笑いをすれば、周防さんは前を向いたまま手だけこちらに伸ばし、私の頭を満足げに撫でた。