俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
急にとんでもないことを言われ、私は顔を真っ赤にして隠すように自分の胸を両腕で覆う。
「きょ……巨乳じゃないし! 普通だし!」
平均より大きめの胸は、私のコンプレックスだ。というか、全体的に肉づきのいい体すべてがコンプレックスなのだ。
BMIは標準だし、体重もそこまで重くはないと思う。けれど体質なのだろう、どこをとっても私の体はフクフクしている。ダイエットしてもフクフクがこぢんまりとしたフクフクに変化するだけで、すっきりとしたスレンダー体系にはならない。
ぶっちゃけ、周防さんが私を『大福』と呼ぶのも理解できる。あまり背が高くないのと色が白い方なのもあって、もっちりフクフクな私は実に『大福』っぽい。
気をつけないと悪目立ちする胸も、ネイルの映えない子供みたいな手も、丸い顔も、ショートパンツなんか絶対履けない太ももとお尻も、みーんなコンプレックスだ。
「っていうか、周防さんってたぶん私みたいなデブはタイプじゃないんだよ。惚れ薬が効く前はさんざんからかわれたし。うん、そうだ。だからエッチしたがらないんだよ。惚れ薬の効果をもってしても、私には興奮できないんだ」
きっとそうだと思いポンと手を打つと、和花ちゃんは「はぁ~?」と明らかに不愉快そうな声を出した。
「何? 嫌み? Fカップで普通って、毎日豆乳飲んでもCカップに届かない私への嫌み? ん? てか梓希と私、そんなに体重変わんないよね? それでデブってケンカ売ってんの?」
「う、売ってないって! だって和花ちゃんの方が五センチも背が大きいじゃん!」
「梓希だって私より四カップも胸大きいじゃん! それで体重ほぼ同じって解せない!」