俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
そんな想いを馳せていた私に、和花ちゃんが心配そうな声で尋ねる。
「ねえ、それって大丈夫なの?」
「え? 何が?」
「小宮山さんとイイ感じになっちゃったら、周防さんヤバいんじゃない? 惚れ薬まだ効いてるんでしょ?」
和花ちゃんの言葉を聞いて、私はハッと息を呑んだ。
「え!? でも、だって……相談に乗るだけだし……別に浮気とか、そういうことには……な、ならないよね?」
周防さんの顔が頭によぎって、心臓がバクバクする。一瞬でも小宮山さんとふたりきりで会えるかもしれないことを期待してしまった気持ちは、もしかして浮気とみなされるのだろうか。
「うーん、どうなんだろう。周防さんの受け取り方次第とか?」
「じゃあ本人が知らなければいいってこと?」
「分かんない。もしかしたら他の男のお誘いを受けた時点でアウトってこともありうるし」
「えぇっ! じゃあ周防さんもう駄目じゃん!」
惚れ薬の明確なルールが分からない以上、憶測を立てても仕方ない。不安で仕方なくなった私は、とりあえず周防さんにメッセージを送って安否を確認することにした。
【お仕事まだかかりそうですか?】と無難なメッセージを送ると、すぐに【順調にいけば午前三時頃帰れる。先に寝てろ】と返ってきた。特に異変を感じられないそのメッセージを見て、大きく安堵の息を吐いた。