嫌い同士の恋物語
その日の放課後、部活がなかった俺は、帰るなり希衣の部屋へ。読みかけだったマンガを読む約束をしていた。
でも希衣は部屋にいなかった。
最初は友達と喋ってるのかな、程度にしか考えなかったが、6:00を過ぎても帰ってこない希衣が、次第に心配になった。
リビングに行くと、希衣のお母さんも心配していた。
真っ先に探しに行った俺だったが、今思えば、それも間違いだったのかもしれない
希衣は、まだ学校にいた。
『希衣!こんな所で何やって─』
「来ないで!」
『…は?』
「圭人、私はアンタのことが嫌い。大っ嫌い」
初めて受けた希衣からの拒絶は、俺にものすごいショックを与えた
でも、希衣の事だ。何かの事情があったのだろう
そう信じて、もう2年が経ってしまった。
俺もその日から、
希衣の事が嫌い。
という設定にした。誰に何か言われたわけではない。希衣のためには、これが一番いいと思ったのだ
何があったかは分からないが、いつか、本当の理由を話してくれると信じて