嫌い同士の恋物語
あっという間に日が過ぎ、とうとう林間学校当日
私は朝から不機嫌だ。
その理由はというと────
「朝日!楽しみだね~」
『そうだな~!』
全部全部、今私の前の座席に座って、見てる方が照れるほどイチャイチャしてる、このバカップルのせいだ!!
「あれ、希衣?そんな眉間にシワよってると、可愛い顔が台無しだぞ!」
「…はぁ、別に、元から可愛くないし、こうなってんの友沙達のせいだし」
『だから、なんでそんなお前は瀬川と隣なことに怒ってんだよー』
そう。林間学校先まで向かうバスは、班ごとに座席が決められている。
ほかの班の子達は女子同士、男子同士で座ってるのに、なんで私たちだけこうなった!?
「まあ、このグループだと、こうなるじゃん?希衣とも隣がよかったけど、朝日ともなりたかったし!」
『また、嬉しい事言って!俺も隣になりたかった~』
「やー、嬉しい!好き~」
『俺も~』
……もう、ここまで来ると放っておいた方がいい