嫌い同士の恋物語
*°❤︎‬ 希衣side‪‪ ❤︎‬




『...おい』


「.....」



誰...?



『おい!』


「...ん...」



そんな耳元で大きな声出さないでよ...



『起きろっつってんだろ!』



起きろというフレーズを聞きしぶしぶ起きると、目の前には──



「け、圭人!なんで!変態!」


ムカつくほど整った顔が目の前に。


今私の前にいるコイツはいわゆる幼なじみである瀬川圭人。


幼稚園の頃は背も小さくて弱くて頼りなかったのに、中学くらいからちょっとばかり背が伸びたからって女子にキャーキャー言われて。



気に食わない



それにコイツ、超がつくほどの俺様で優しさというものが微塵もない




『誰が変態だ。俺はお前の母さんに頼まれて起こしに来ただけだ。で、早く起きろ』


「は、今何時?」


『8:00』



私たちの学校は、ホームルームが8:30からだ。



それに、着くまでは頑張って走っても10分はかかる。



「はぁぁあ!?なんでもっと早く起こしてくれなかったのよ!」


『あのなぁ...俺はお前の子守りじゃねえんだよ。10分で準備しないと先行くぞ』


「は、10分!無理に決まってんじゃん」




こんなふうに一切私のことを考えないマイペース。それなのにモテて[王子様]なんて呼ばれてるんだから不思議だ。




コイツなんか、腹黒変態野郎のくせに。




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