先輩手に入れます!
ほとんど悪口に近いこの言葉を
真正面から受け止めてくれる。
龍星「真名井に言っとくよ。」
雫「言わないで下さい。」
龍星「北見ちゃんが言ってたとは言わないよ。
マネージャーの仕事は
ちゃんとしろって注意するだけだから。」
雫「でも、ダメです。
せっかく...仲良くなれたから
絶対にダメです。」
龍星「そんなにさ、肩肘張らなくても
いいんじゃないかな?
真名井の顔色伺いながら
練習見てたって楽しくないでしょ?
俺の事にしてもそう。
俺は北見ちゃんの事を誰かに
言いふらしたり瀬那に伝えたり
しないから。この間の事はごめん。
俺の気持ちが先走って北見ちゃんの
気持ち、全然考えてなかった。
本当にごめんね。」
泣きたくなった。
多分それは梶谷先輩が優しいから。
優しさに慣れてない私には
梶谷先輩の存在は特別すぎる。
恋人にはなれないけど
梶谷先輩は私の好きな人だ。
そんな想いを口にする事は
きっと、この先絶対にないけれど
ありがとうの気持ちを込めた。
龍星「でも、知った責任はとるから。
今日の放課後、部活が終わったら
部室に来てくれないかな?」
言葉を発すると泣いてしまいそうだったから
私は強く深く頷いた。