先輩手に入れます!

いつも通り、私の事なんて
無視して通り過ぎるんだろうと
思っていたけど、ドアノブに手をかける
私の腕を先輩は掴んだ。

瀬那「お前は、俺が
好きなんじゃねぇのかよ?」

その行動と言葉に心底驚いてはいたけど
先輩に向ける言葉はたった1つだ。

雫「好きですよ。」

瀬那「だったら...」

雫「だったら、何ですか?」

瀬那「...別に。」

雫「先輩、もしかして嫉妬してますか?」

瀬那「はぁ?んな訳ねぇだろ!
お前の事なんてどうでもいい。」

そう言いながらも先輩は
掴んだその手を離さなかった。

先輩にこんな風に手を掴まれたのは
初めてだ。ずっと感じたいと思っていた
温もりがそこにはある。
< 193 / 293 >

この作品をシェア

pagetop