先輩手に入れます!

放課後の時間も持て余す。

今更ながら、思う。
私の全部は鏑木先輩で出来ていた。

私の世界から鏑木先輩が
消えたら、私には何も残っていなかった。

鏑木先輩の存在の大きさを知る。
今更、そんな事を知っても遅いけど。

瀬那「龍星!前行け!前っ!」

今日も先輩はキラキラと
光る汗を流していた。

きっと、鏑木先輩の視界には
私の姿なんて映ってない。

それでいい。それで。

でも、何で...こんなに悲しいのかな?

自分から追いかける事を辞めたのに。
私が追いかけなくなったら
鏑木先輩が追いかけてくれるとでも
思ったのかな?
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