先輩手に入れます!

今日もまた門を開く先生と挨拶を交わした。

しばらくすると耳にイヤホンをした
先輩が校門へと向かって歩いてくる。

私の姿を見つけると先輩は
私に向かって手を挙げた。

イヤホンを外し小走りで
私の元へと駆け寄ってくる。

瀬那「おはよう、北見。」

雫「おはようございます。」

瀬那「行くぞ。」

雫「はい。」

幸せだなって思った。

こんな日が訪れる事を
想像した事はなかったから。

先輩からおはようって言ってくれる朝も。
微笑みと共に差し出された手も。
サッカー部の部室に一緒に入る事も。

遠い遠い。夢だと思っていたから。
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