先輩手に入れます!
でも、やっぱり私は
怖い気持ちが勝ってしまう。
だから、意図的に避けた。
鏑木先輩の事も。匡貴の事も。
だって、多分分からない。
私のこの小さくて大きい恐怖を。
匡貴は、先輩は...知らない。
いつも愛情に包まれて生きてきた
匡貴にも、両親共に亡くした
先輩にも、分からない。
生きているのに。目の前にいるのに。
愛がない家庭に生まれ育った
私の気持ちなんて分からない。
分かって欲しいとも思わない。
出来る事なら、こんな気持ちは
誰にも知って欲しくなかった。