先輩手に入れます!
雫「だって、梶谷先輩だから。
その理由は曽根崎くんが1番
知ってるんじゃない?
さっき、曽根崎くんが言ってたじゃん。」
俯いた顔を上げた曽根崎くんと
初めて目が合った。
匡貴「曽根崎。」
いつからそこにいたのか
私の背後から匡貴の声が聞こえてくる。
匡貴「喜べよ。お前はレギュラーに
選ばれたんだ。誰かの気持ちよりも
まずは自分の気持ちの方が大切だろ。
お前は嬉しくないのかよ?」
曽根崎「...嬉しいよ。」
匡貴「だったら、泣いてる暇はない。
梶谷先輩がこのコートに
もう一度立つまでの間
俺らが頑張るしかねぇだろ。」
涙を拭った曽根崎くんは
立ち上がりグラウンドへと
走って行った。
雫「ありがとう、匡貴。
フォローしてもらっちゃって。」
匡貴「鏑木先輩の事
追いかけなくていいのか?」
雫「多分、今は1人になりたいと思うから。
私もそこまで空気読めなくないよ。」
匡貴「だな。練習行ってくる。」
私の頭を軽く撫でグラウンドへと向かう
匡貴の背中を見送った後
私はグラウンドを後にした。