オーロラの下、君を想う
真冬は、同僚として彼と出会った。日に焼けた肌と高い身長。人懐こい笑顔が特徴的な子供っぽい人だった。

「ねえ、一緒にお昼食べない？」

そう彼が話しかけてきたことがきっかけだった。真冬はドキッと驚く。今まで人から話しかけられたことなど、あまりない。

「結構です。一人が好きですから」

真冬はそう言ったが、彼は何度も話しかけてくる。それは、食事に誘うものだけではなく、仕事に関することもあった。

「田中さん、けっこうオムツ介助の時怒ってくるんだよね。どうしたらいいんだろう」

「田中さんは気難しい性格の人だから、なるべく早くしてあげないと！この病院にはいろんな人が入院してる。一人一人に合わせて介助をして」

「なるほど！サンキュー」

気がつけば、いつも話しかけてくる彼のことが気になり始めていた。そして、彼から告白され交際がスタートした。

彼には両親がいない。幼い頃に病気で亡くなり、行き場を失った彼は施設で育った。だからこそ、人の支えになれる仕事に就きたいと看護補助員を選んだそうだ。
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