オーロラの下、君を想う

看護補助員は、人と接する仕事。どれだけ頑張っても報われないこともある。

入浴介助で一生懸命体を洗っていても、「早くして！」と怒ってくる人もいる。退院できずにそのまま病院で息を引き取ってしまう人もいる。

そんな悲しみや苦しみを、真冬は彼と分かち合い彼と過ごす日々を愛していた。いつか一緒に北欧へ行こうと約束もしていた。

しかし、彼は突然交通事故でこの世を去った。知らせを聞き、冷たくなってしまった彼を見て、触れて、真冬は大声で泣いた。自分が思っていた以上に、彼に恋をしていた。

きっともうこれ以上悲しいことなどないだろう。

その日から何もかもどうでもよくなり、ご飯もまともに食べられず、夜も眠れない日々が続いた。そして体調を崩し、休むように言われてしまったのだ。



ルミと真冬は、泣きながら抱きしめあった。

大切な人は、もうどれだけ想っても帰ってこない。そばにいたことがまるでなかったかのように……。ただ悲しみだけを残していく。

「真冬を見た時、おばあちゃんを失ったばかりの頃の私にそっくりだと思った。だから声をかけたの」