オーロラの下、君を想う
ルミはムーミンのメモ帳を取り出し、笑う。いつか、こんな風に笑えたらいいなと真冬は微笑む。

「その時は、私が日本を案内するね」

「楽しみにしてる!」

最後に、真冬とルミは抱きしめ合う。その時にルミが真冬の耳元でささやいた。

「Paljoy onnea vaan sinnlle.(あなたにたくさんの幸せが来ますように)」

真冬は微笑み、ルミの目を見て言った。

「Kiitos ihmeesta, johno tapasimme.(あなたに出会えた奇跡に感謝します)」

フィンランドで出会えた不思議な出会い。真冬にとってきっと、彼のことのように忘れることはないだろう。

「Moi moi!(バイバイ!)」

互いにそう言い、真冬は搭乗ゲートへと向かった。もう、心は重くない。

真冬の中で、時計の針が動き出す。
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