オーロラの下、君を想う
真冬の心には、嵐の中岩の上で遠吠えをする狼の姿があった。どこが弱い存在なのだろう。
「狼は、普通は群れを作ってその中で生活をするの。みんなで助け合って狩りをしたりする。一匹ということは、誰からも助けてもらえない。だからとても寂しいのよ」
それは、真冬の想像したことのない答えだった。真冬は自分の胸にそっと手を当てる。
あなたは日本人?と女性は訊ねる。真冬は「Kylla(はい)」と頷く。
「日本!!三年前に京都に行ったきりだわ。また行きたい!」
女性は明るく笑う。真冬の心に、ふと何か温かいものが流れた気がした。悲しくないのになぜか泣いてしまいたくなるこの感情の名前を、真冬は知らない。
「日本ではとても親切にしてもらったの!だから、あなたを助けたい!私がフィンランドを案内するわ!」
女性はルミ・ヘイディと名乗った。真冬も慌てて自分の名前を言う。
「Mafuyu!Mukava tavata(よろしくね)」
異国の地で、真冬は不思議な女性と出会った。
「狼は、普通は群れを作ってその中で生活をするの。みんなで助け合って狩りをしたりする。一匹ということは、誰からも助けてもらえない。だからとても寂しいのよ」
それは、真冬の想像したことのない答えだった。真冬は自分の胸にそっと手を当てる。
あなたは日本人?と女性は訊ねる。真冬は「Kylla(はい)」と頷く。
「日本!!三年前に京都に行ったきりだわ。また行きたい!」
女性は明るく笑う。真冬の心に、ふと何か温かいものが流れた気がした。悲しくないのになぜか泣いてしまいたくなるこの感情の名前を、真冬は知らない。
「日本ではとても親切にしてもらったの!だから、あなたを助けたい!私がフィンランドを案内するわ!」
女性はルミ・ヘイディと名乗った。真冬も慌てて自分の名前を言う。
「Mafuyu!Mukava tavata(よろしくね)」
異国の地で、真冬は不思議な女性と出会った。