オーロラの下、君を想う
ムーミンワールドはナーンタリに浮かぶ無人島にある。島全体がムーミン谷をイメージして作られたそうだ。

ムーミンワールドに到着すると、人気の観光地ということで多くの人で賑わっている。

「ほら、あれがムーミンの家よ」

ルミが指差す方向には、アニメや絵本で何度も真冬が見たあの家が建っている。家の中も忠実に再現されていた。

「……すごい!」

真冬の口からそんな言葉が出てきた。そのことに、真冬は驚く。今までは、何を見ても何も感じなかったからだ。

ムーミンワールドでは、ムーミンの家だけではなく他のキャラクターの家もあり、それもとても忠実に再現されていた。

また、自然豊かなため子どもたちはスキーやソリを楽しんだりしている。

テーマパークなのだがアトラクションはなく、ゆったりとした時間を真冬は過ごした。こんなにのんびりしたのは久しぶりで、真冬はルミにとても感謝の気持ちを伝えたくなる。

一瞬、心の傷が癒えたような気がしたのだ。ルミはおせっかいでそばにいるのに、それが心地よいと少し真冬は思う。
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