拾いものは危険な恋のはじまりでした
もうダメだと諦めかけたとき

「おい!」低い声がその場に響き渡った

背の高い男の人、その後ろに何人もの人がいるのが分かるが暗くて顔が見えない

「ああ!?うるせー!」「誰だ、あっちいけよ」

「あ゛‼ そいつを離せ!」

ドゴッ! 「ぐぇ・・」 バン! 「ゴㇷ、ガァ・・」

言い終わると同時に、二人の男は吹き飛ばされていた。

「おい!こいつら始末しておけ!」 「「はい」」

そんな声が聞こえた気がしたが、壁に押し付けられていた私は、そのまま

ズルズルと下に座り込みブルブル震える体を丸めて俯いていた

「小春、大丈夫か」低く優しく語りかけてくるこの声は

「そ、奏さん・・・奏さん・・・ヒック、ヒック、怖かったよ~」

「もう、大丈夫だ、立てるか」

「・・うん・・」

奏さんに掴まりながら立ち上がった。

奏さんのがっしりとした腕が私を包み込むと、安心感にホッと息を吐いた

奏さんが助けてくれて良かった。そうじゃなかったら・・・

最悪の状況を想像し、体が震えるのを感じた。

「アパートまで送る」「・・・はい」

少し歩くと黒い高級外車がハザードランプをつけ停まっていた。

車の中には、2人の男の助手席と運転席に2人の男の人

「小春のアパートまで」そう告げると車はスッと走り出した

アパートの前に着くと、

「小春の連絡先を教えてくれないか」

「え、いいですけど・・」

お互いの連絡先を交換し、私が部屋の中に入るのを見届けて、

奏さんは帰っていった
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