拾いものは危険な恋のはじまりでした
普段なら無視してしまうところだが、女の真から心配する様子と包み込む

ような雰囲気に頷く自分がいた。

女に肩を貸してもらい立ち上がるが、フラフラする体にかなりヤバイと感じる。

女は小さく華奢な体にもかかわらず、俺に覆いかぶさられるようにしながら

も懸命に俺を運ぼうと前に進んでいく。

数分歩いたところで、女のアパートに辿り着いたらしい。

2階建てのボロアパート・・・中に入ると、白を基調にした部屋はワンルームで

小綺麗に片付いている。一人暮らしのようだ。

ベットに寝かされると、買い物に行ったのか女の気配がなくなった。

一先ず、司に連絡しないと不味いだろう

「俺だ、今日は女のところに泊まるから迎えはいい、明日電話する」

「は~!?女~!冗談だろ~、マジかよ」

「あぁ、切るぞ」

まだ、何か言いたそうだったがとりあえずこれでいいだろう。

そのまま、目を閉じた。


額に温かさを感じ目を開けると女がタオルで汗をぬぐっていた。

体も拭くから服を脱げという、何の気なしに脱ぎ体を拭いてもらう。

女が後ろに回ったところで「龍・・」

あぁ、そうだった俺の背中には龍がいたんだった、何故か見られたく

なかったと過る気持ちになった

すると「綺麗」と言い、背中を触る女・・・心が震えるのを感じた
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