拾いものは危険な恋のはじまりでした
第三章 幻想的な夜
奏さんから助けてもらった日から一週間経つ、あの二人の男に殴られた頬は

痣になったので、仕事には風邪だと言ってマスクをしていたので、知られず

に済んだ。

もし、娘のように可愛がってくれる百合さんとだんなさんで板前の真吾さん

にバレたら、大変なことになりそうで怖い。

痣も治ってきたが、あれから奏さんから連絡はない、私もしていない。

でも、私の頭のなかには奏さんがいた。

奏さんの声が聴きたかったり、会いたいと思う自分がいる。

でも・・・恋愛経験のない私には連絡する勇気がなかった

これが、人を好きになるという事なんだろうか・・・

でも、あんなカッコイイ人・・・彼女もいるんだろうなぁ

部屋でコーヒーを飲みながら考えていると、着信を知らせる音・・・

誰だろう

画面を見ると、奏さんから

ドキドキする気持ちを抑えながら、画面をタップする

「はい、小春です」

「俺だ、元気か?」「はい」

「今日なんだが、時間あるか?」

「はい、今日はお店が休みなので大丈夫ですよ」

「じゃあ、16時に迎えにいく」「は、はい」

奏さんから誘いの電話!準備しないと・・・あと、3時間

あれこれ悩み、白いニットのアンサンブルとコートにし、普段しないお化粧

を薄くし、髪の毛は緩く巻いてみた。

見よう見まねだが、とりあえず私の精一杯のオシャレをしてみた
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