拾いものは危険な恋のはじまりでした
初めての水族館は私の想像以上だった。

暗めの照明がロマンティックな雰囲気をかもちだし

ふわふわとした様々な種類のクラゲが幻想的な光の中を漂う

長いトンネルの上に広がる水槽には、大きなエイが海の中を飛ぶように

泳ぎながら、頭の上を通り過ぎる

「奏さん、凄いですよ!」「綺麗ですね!」など・・・

興奮のまま、奏さんに声をかけていた

子供の様にはしゃぐ私を、目を細めながら見ては頭を撫でていた

手を繋ぎ二人で並んで歩く、進んでいくとイルカショーが始まるところ

だった。

幻想的な光と音楽が奏でられる中、イルカがジャンプする

「凄い、綺麗・・・」

私は、食い入るようにその光景を見つめていた。

15分程のショーが終わり、ほう~と息を吐いた

「とっても、素敵なショーでしたね」「あぁ」

話しながら進むと、グッズ売り場にでた。

「ちょっと見てもいいですか?」「あぁ」

ぬいぐるみやキーホルダー、お菓子、いろいろ売られている

一通り見て戻ると、「ほら」と奏さんから袋を渡された

「なんですか?」

袋を開けてみると、20㎝位のイルカのぬいぐるみだった。

「え、これって・・」「やる、記念だ」

嘘みたい・・奏さんが自分で買ったの!?奏さんが、レジに並ぶ姿を

想像して、思わず笑みがもれる、かなり恥ずかしかったはず・・・

「ありがとうございます!」

「あぁ、行くぞ」「はい!」

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