拾いものは危険な恋のはじまりでした
水族館を出るともう辺りは暗くなっていた。

そのまま、車に戻り食事をしようということになった。

着いたところは、海のみえるお洒落なレストラン。

「桐生様、いらっしゃいませ。奥のお部屋へどうぞ」「あぁ」

通されたのは、幻想的にライティングされた庭があり、その向こうに海が

見える個室だった。こんなところ来た時ない!どうしよう!

「小春は、苦手なものはないか?」「はい、無いです」

「メニューは俺が決めていいか?小春は飲めるのか?」

「メニューはお任せします。お酒は全くダメですぐ真っ赤になっちゃうので」

「あぁ、分かった」

キラキラ光るシャンパンが運ばれ、ふたりで乾杯

「飲めないんだろ、味見くらいにしておけよ」「はい」

ディーナーは凄かった、マナーを知らない私は奏さんに教えてもらいながら

食べていた。奏さんはマナーもしっかりしていて、見ていても綺麗

オマール海老やフォアグラのソーテー、和牛のグリル、最後のデザートの頃

にはお腹がいっぱいになっていた。

「腹いっぱいになったか」「もう、お腹いっぱいで食べられません」

「じゃあ、ちょっと外にでもでるか」「はい」

お店から出ると、目の前の海へ

石段を下り、階段の下で腰かけた


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