拾いものは危険な恋のはじまりでした
奏side

師走に入ってからは、表の会社も組も忙しい。

本当は直ぐにでも小春に会いたかったのに、あの再会の日から1週間が

経っていた、畜生、イライラする・・・。

「奏、今日この打ち合わせが終わったら、オフでいいよ。小春ちゃんに

会いたいんだろ」

俺のイライラに気が付いた司がスケジュールを調整したようだ

「サンキュー」

礼を言うとすぐさま小春に連絡した。小春も大丈夫だったが、ちょっと待て

小春をどこに連れて行ったらいいんだ。欲を吐き捨てるような女はいても

付き合ったり、ましてや今まで本気になったことのない俺には、デート

なんて皆無だ・・・。

「司・・小春をどこに連れて行ったらいいんだ・・」

「あー!奏だもんねェ~、水族館なんかいいんじゃない。そして、食事に

行くとかね。待て、分かった、手配する」

そういうと、水族館への地図と海の見えるレストランを予約し俺に渡した

「うちの若頭が、やっと本気になれる人が出来たんだ、応援するさ」

「あぁ」

仕事を終え、ラフな格好に着替え自分の車を出し迎えに行った。

自分で運転するのも久しぶりだ、まあ、後ろに護衛の奴らがついてくるのは

俺の立場上仕方がない。小春には、分からないようにしろと釘をさしておいた。

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