拾いものは危険な恋のはじまりでした
師走の忙しい時期、年末になってくると奏さんもかなり忙しいらしく

年明けまで会えないと連絡があった。

元々、いつも一人で過ごすお正月、そんな寂しくなんてない

・・・・嘘・・・寂しい

奏さんと出会ってから、いつも奏さんの気配を感じていた気がする分

いつもより寂しさを強く感じた。私は相当、奏さんのことが好きらしい

お正月は、お餅を買ってきて、テレビを見ながらのんびりと過ごした。

3日、その日もぼーっとした頭のまま、お餅を焼いていた。

pipipi ん・・・電話?

画面を見ると、“桐生 奏” 嘘!奏さん!

「は、はい、もしもし」

「小春、今日時間はあるか?」

「あ、はい、あります」

「初詣に行こう、11時に迎えに行く。」「はい!」

ハッ!今、何時!? 9時、後2時間・・大丈夫、お餅を食べて準備しよう

白のタートルネックのセーターにマキシスカートでコートにブーツ

髪は緩めのハーフアップにした。

11:00 時間きっちりに奏さんがドアを叩く

黒のセーターにブラックジーンズ、黒のコート・・・黒ずくめだ

停めてある黒のスポーツカーに乗って、神社に向かう

まだまだ人も多い中、お賽銭を賽銭箱に入れ、新年の安全祈願と奏さんと

いつまでも一緒にこうして過ごせるようにと願いを込めた。
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