拾いものは危険な恋のはじまりでした
早く帰ろうといつも通る路地裏を進む

周りの店から少しだけもれる灯だけの薄暗い路地裏は、一見、異空間へつながる

道なのかと錯覚を起こしそうになる。

普通の人からするとあまり足の踏み入れたくない場所なのかもしれないが、人見

知りで人と接するのが苦手な私はこの空間が割と好きだったりする

今日もアパートまで異空間の道のりを楽しむはず・・・だった。

「あれは・・・何だろう?」

道の脇、壁のところに何かある・・・黒く大きい・・もの・・・ん?人!

ちょっと、なんでこんな所にいるんだろう・・酔っ払いかな・・

関わらないように、サッサと通り過ぎよう。

ビクビクしながら路地裏を進む・・・「ハァ~ゥッ、ゥゥ・・」苦しそうな

息遣いともれる声

どうにか通り過ぎたけど・・・さっきの人、苦しそうだった・・・

歩く足を止め、来た道を引き返す

この時何故自分がそうしたかったのか分からないが、そうしないといけない

気持ちが強かった。

先程の人の前に来ると屈んで様子を見る。大きな男の人だ。額には汗が・・・

こんな寒いのに・・まさか、熱なの!額を触ると凄く熱い、このままじゃダメ
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