拾いものは危険な恋のはじまりでした
「・・・小春、俺は小春の事が好きだ。いや、愛してる。

俺が小春の事を護るから、俺の女になってくれないか」

奏さんが私の事を・・・。

私の気持ちは決まっている、例え奏さんが極道だとしてもそれは変わらない。

「はい、私を奏さんの女にしてください」「あぁ」

そう言うと、奏さんの大きな体が私を包み込んだ。

奏さんからは、いつも漂う甘いムスクの香りがした。

暫くそうしていたが、奏さんが身体を離す

「小春に、バレンタインデーのお返しだ」

コートの内側から細長いベルベットのケースを取り出した。

ケースを開けると、キラキラ輝くダイヤが花のように連なったネックレス

奏さんは、ケースからそれを取り出すと、私の後ろに回り首につけた

私の首からさがるネックレスを見て、「似合ってる」と呟き、抱き寄せ

たかと思うと、私の唇に口づけた・・・

優しく、啄ばむように確かめるように何度も何度もキスをした

海の向こうに見えるキラキラする夜景や空に輝く星たち全てが祝福して

くれている、そんな気がした

その後のことは、よく覚えていない

ふわふわした、夢心地な気分まま、アパートまで送ってくれた奏さんと

車の中でキスをして車から降りた。私が部屋の前で手を振り中に入ると

車は帰って行った。
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