拾いものは危険な恋のはじまりでした
「な、何これ・・・」

前と同じ宛名も差出人も書かれていない手紙、そうだ、消印が無い

ということは・・・ここに直接入れているということだ

口づけということは、昨日の奏さんとのキス・・・

何とも言えない得体のしれない恐怖が襲い、体が震えた

 pipipi 静寂を破るようにスマホが鳴って、はッとする

画面には“桐生 奏”すぐさまタップして耳に当てる

「小春、仕事は終わったのか?」

「そ、奏さん・・・奏さん・・・」

怯えるような声を出す私に何かを感じたのか

「今から部屋に行く。待ってろ!」「はい・・・」


「何があった」

奏さんは、部屋に入るなりそう聞いてきた。奏さんの後ろには以前

私が襲われた時に送ってくれた車の中にいた人・・・確か、助手席

に座っていた人だ。

落ち着かなそうに後ろを見ている私に気づいた奏さんが

「俺の側近をしている、司だ。」

「あ、小春ちゃん、僕は佐伯司、奏の側近だからこれからちょくちょく

顔を合わせると思うから、よろしくね」

「あ、はい、よろしくお願いします」

「で、何があった」

いつもと少し違う鋭い目つきの奏さんがそこにいた。

これが、若頭の奏さんなんだろう。



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