拾いものは危険な恋のはじまりでした
奏side

それは、いつものように部屋に戻った小春からの電話がないのを不審に

思って、掛けた電話から始まった。

ホワイトデーにプレネタリウムデートをして、俺の思いを告げた。

桐生組の若頭という事を知った小春が、俺から離れてしまうかもという

懸念は杞憂に終わった。

お互いの気持ちを確認し合い、俺の気持ちは満たされていた。

それが、「そ、奏さん・・・奏さん・・・」という怯えた声・・・

何が起こった!?

司と小春の部屋に行くと、二通の封筒を渡される。

一通目は、ラブレターなのか?短い手紙、二通目は脅しともとれる内容

それに、最近つけられていたり、視線を感じるという、ストーカーか

それとも組関係か・・・

どちらにしても、許せねェ!

司に目くばせをし、早急に調べるように手配し、徹を護衛につけることに

徹は23歳で、Rootsという地元チームのトップをしていただけあり、喧嘩も

強く、洞察力があり機転もきく。小春を任せて安心だろう。

司と徹が部屋を出ていくと、怯える小春を抱き寄せキスをした。

このまま、小春一人にはしておけない・・・部屋に泊まることにした

小春は俺にとって何物にも掛けられない大事な唯一の女だ、小春の全てが

欲しい、あの華奢な身体を抱き、白い肌に俺の印を刻み付けたい欲望はある

が、小春は俺が初めての男なんだろう。

だから、小春の初めては、心に残るようにと誕生日にホテルのスウィートを

用意してある。それまでは、大事にしたい。そして今までの辛く寂しい

過去を塗り替えてやりたい小春が喜ぶならそんな我慢も大したことはない

ように思えた


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