拾いものは危険な恋のはじまりでした
二人でとる久しぶりの朝食、奏さんの食べ方は本当に綺麗だと思う

焼き鮭を食べながらも、部屋から出る際には必ず徹さんを呼ぶこと、

一人では出歩かないことなどを何度も念押しし、私はその度に、頷きながら

「はい」と応えていた。

暫くして、電話が鳴ると司さんが迎えに来たようで、額にキスをして

仕事に向かって行った。

奏さんを見送って、徹さんとスーパーへ

途中、奏さんのことや徹さん、司さんの事を話しながら向かった

司さんは奏さんの側近で25歳、徹さんは23歳。

奏さんは、若頭の他に会社も経営しているらしい、今日もその仕事で

外せなかったとのことだった。徹さんは、名前で呼んでほしいとの

ことだったので「徹さん」私も年下なので呼び捨てでとお願いしたが

受け入れてもらえず「小春ちゃん」と呼ぶことになった

そうこうしながらスーパーに着き、徹さんに籠をお持ってもらいながら

買い物をし、帰りも荷物を持ってもらい、部屋に戻った

それから支度をして、「花かつみ」に

店の前まで送ってもらい、今日も洗い場で忙しく仕事をする

百合さんから、「最近、小春ちゃんは前より明るくなった気がするけど

良いことでもあった?」と聞いてくるので

「実は、彼ができまして・・・」とハニカミながら言うと

「今度、お店に連れてきなさい。紹介してね」と嬉しそうに言ってくれた

「はい、いつか紹介しますね」

そんな、会話をしながら今日も仕事が終わった
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